車を修理に出している間、通勤や買い物、家族の送迎などに車が必要になることがあります。
修理中に代車を借りられる場合はありますが、必ず用意してもらえるとは限りません。代車の有無や空き状況、無料か有料か、借りられる期間などは、修理先や保険の契約内容によって異なります。
そのため、修理を依頼するときは、できるだけ早い段階で「代車が必要です」と伝えておきましょう。
あわせて確認したいのは、主に代車の料金、借りられる期間、事故を起こした場合の補償です。
事故や故障で自動車保険を使う可能性がある場合は、自分でレンタカーを予約する前に保険会社へ連絡したほうがよいケースもあります。
この記事では、修理中の代車について「どこへ、何を確認すればよいのか」を順番に整理します。
車の修理中に代車は借りられる?まず修理先へ確認する
車を修理に出すときは、まず修理先に代車を用意できるか確認します。
代車を貸し出している修理工場や販売店はあります。たとえばモリタ自動車では、車検や修理で車を預かる際に無料代車を用意すると案内しています。ただし、台数に限りがあるため予約時の申出が必要です。これは同店のサービス例であり、すべての修理先で無料代車が用意されるという意味ではありません。
「修理に出せば代車があるだろう」と考えず、入庫日を決める段階で確認しておくほうが安心です。
特に伝えておきたいのは、いつから必要なのか、何人で利用するのか、どのような用途で使うのかです。
子どもの送迎に使うならチャイルドシートを取り付けられるか、家族も運転するなら誰まで運転できるかなども確認しておきましょう。
希望する車種を必ず選べるとも限りません。普段ミニバンに乗っていても、小型車しか空いていないことがあります。荷物の量や乗車人数など、外せない条件がある場合は早めに相談してください。
ディーラーで修理する場合も、修理工場へ依頼する場合も、「ディーラーだから有料」「町の修理工場だから無料」と一律には判断できません。実際の代車の有無と条件を、その修理先へ直接確認することが大切です。
修理中の代車は無料?費用が変わる仕組み
修理中の車を確保する方法は一つではありません。
修理先が自社の代車を無料で貸してくれる場合もあれば、有料のレンタカーを使う場合もあります。また、自動車保険の提携修理工場が代車を提供したり、契約している特約からレンタカー費用が補償されたりする場合もあります。
これらは完全に別々の仕組みではなく、組み合わせて使われることもあります。
| 手配の例 | 費用を確認するときのポイント |
|---|---|
| 修理先が所有する代車 | 貸出料金が無料か、燃料代など別途費用があるか |
| レンタカー | 利用料金、補償、燃料、延長料金など |
| 保険会社の提携修理工場 | 代車サービスの対象になるか、利用条件があるか |
| 保険の代車・レンタカー費用特約 | 今回の事故・故障が対象か、日額・日数・手配条件はどうなっているか |
たとえば三井ダイレクト損保では、同社を通じて提携修理工場で契約車両を修理する場合、修理期間中の無料代車サービスが工場から提供されると案内しています。一方、提携修理工場以外を利用する場合や、同社に連絡せず直接修理を申し込んだ場合には、同じサービスを受けられないとしています。
ここで分けて考えたいのが、「代車を借りるときに料金が発生するか」と「その料金を最終的に誰が負担するか」です。
有料レンタカーでも、契約している保険の補償対象になれば費用の一部または全部が保険から支払われる場合があります。反対に、「代車無料」と案内されていても、ガソリン代や事故を起こした場合の自己負担まで無料とは限りません。
燃料の扱いも貸出元によって確認が必要です。たとえばトヨタレンタカーでは、原則として満タンで貸し出し、返却前に給油する方法や、条件に応じた燃料精算を案内しています。これはレンタカーの一例なので、修理工場の無料代車にも同じルールが適用されるとは限りません。
「代車無料です」と言われた場合でも、何が無料なのかまで確認しておくと後から慌てずに済みます。
事故・故障で保険を使うなら、手配前に確認する
事故や故障で自動車保険を使う可能性がある場合は、レンタカーなどを自分で手配する前に保険会社へ相談しましょう。
確認したいのは、今回の原因が代車費用の補償対象になるのか、提携修理工場の代車サービスが使えるのか、自分で予約してよいのか、事前の連絡や承認が必要なのかという点です。
保険会社によっては、自分でレンタカーを手配する場合に事前連絡を条件としている商品があります。
SOMPOダイレクトの「おとなの自動車保険」では、事故時代車費用特約を利用して自分でレンタカーを手配する場合、事前に同社へ連絡するよう案内しており、承認されなければ支払い対象にならない場合があります。また、同社のFAQでは、事故による修理と故障による修理で代車サービス・特約の扱いが異なることも明記されています。
事故と故障を同じ条件だと思わないことも重要です。
たとえば損保ジャパンの2026年7月改定版の特約カタログでは、代車費用特約について事故と故障の両方を扱っていますが、故障についてはレッカーけん引の有無などによって対象外となるケースがあります。また、選択する特約によって補償日数も異なります。これは損保ジャパンの商品条件の例であり、他社にも同じ条件が当てはまるわけではありません。
保険会社へ連絡するときは、「代車は出ますか」だけではなく、次の内容をまとめて聞くと整理しやすくなります。
| 確認すること | 聞き方の例 |
|---|---|
| 今回の原因 | 「今回の事故(故障)は代車費用の対象ですか」 |
| 手配方法 | 「修理工場と保険会社のどちらが手配しますか」 |
| 自分で予約する場合 | 「予約する前に承認が必要ですか」 |
| 費用 | 「1日あたりの上限や自己負担はありますか」 |
| 日数 | 「何日まで、どの期間が対象ですか」 |
| 延長 | 「修理が長引いた場合、超過分はどうなりますか」 |
相手方のある事故では、自分が契約している保険の特約とは別に、相手方への損害賠償として代車費用が扱われる場合もあります。三井ダイレクト損保も、相手方のある事故では相手方が代車代を負担する場合があるため、保険会社などへ相談するよう案内しています。
自分の保険の補償と相手方への請求を混同せず、事故担当者へ状況を伝えて確認しましょう。
代車がないときは、必要な移動に合わせて方法を選ぶ
修理先に代車がなかった場合も、すぐに長期間の車を契約する必要はありません。
まず修理先に、代車が空く予定はないか、別の方法で車を手配できないか相談してみましょう。
それでも難しい場合は、レンタカーやカーシェア、公共交通機関、タクシーなどを組み合わせて考えます。
ポイントは、「車が必要かどうか」ではなく、いつ、どのくらい必要なのかを整理することです。
毎日通勤で使う人と、週末の買い物だけに必要な人では合う方法が違います。朝から夜まで必要なのか、数時間だけなのかでも変わります。
比較するときは、利用料金だけでなく、受取・返却場所まで移動する費用や時間、燃料代、駐車場代なども含めた総額で考えましょう。
| 比較する項目 | 確認したいこと |
|---|---|
| 必要な日 | 毎日必要か、特定の日だけか |
| 必要な時間 | 終日か、数時間だけか |
| 人数・荷物 | 小型車でも足りるか |
| 受取場所 | 自宅や修理工場から行きやすいか |
| 費用 | 利用料だけでなく燃料・交通費などを含める |
| 延長の可能性 | 修理が長引いた場合に対応できるか |
代車が空く日まで入庫を遅らせたい場合は、その車をそれまで走らせても問題ない状態なのかを修理先へ確認してください。
安全に走行できない車や、使用すると故障が悪化する可能性がある車を、代車待ちのために使い続けるのは避けましょう。
代車を借りる前に確認したいこと
代車が見つかったら、「借りられること」だけで安心せず、返却までの条件を確認します。
特に重要なのは、代車を借りるための費用と、その代車で事故を起こした場合の補償は別の話だという点です。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 料金 | 貸出料金はいくらか、別途かかる費用はあるか、誰が負担するか |
| 利用期限 | いつまで借りられるか、延長するときは誰へ連絡するか |
| 運転者 | 本人以外の家族なども運転できるか |
| 補償 | 代車で事故を起こした場合にどの保険が使われるか |
| 自己負担 | 事故時の免責額などがあるか |
| 車両状態 | 借りる前からある傷やへこみを確認したか |
| 燃料 | 借りたときの残量と返却時の給油方法 |
| 装備 | チャイルドシートなど必要なものが使えるか |
| 緊急時 | 事故や故障が起きたときの連絡先 |
| 返却 | 給油、精算、返却場所・時間を確認したか |
レンタカーの場合、貸出前の傷やへこみを一緒に確認する仕組みがあります。トヨタレンタカーも出発前に店舗スタッフと傷・へこみの有無を確認するよう案内しています。また、運転する人全員の運転免許証の提示を求めています。
修理工場の代車でも、貸出時に車の状態を一緒に確認し、気になる傷があればその場で伝えておくと安心です。
代車で事故を起こした場合の補償も確認する
自分の自動車保険に「他車運転特約」が付いていれば、借りた車での事故が補償される場合があります。ただし、「他車運転特約があるから何でも補償される」と考えるのは避けてください。
たとえば損保ジャパンの他車運転特約は、所定の借用車を運転中の事故について契約車両とみなして補償する仕組みですが、対象となる車や人、補償される内容には条件があり、一部の特約は対象外です。
代車を借りるときは、貸出元の保険を使うのか、自分の保険が使えるのか、事故時にどの程度の自己負担があるのかを確認しておきましょう。
レンタカーの場合には、さらにレンタカー会社独自の負担が設定されていることもあります。
トヨタレンタカーでは、事故時の保険の免責額とは別に、車両の修理や清掃などで営業できない期間に対する「ノン・オペレーションチャージ(NOC)」を定めています。免責額とNOCは別の負担として案内されています。
ただし、NOCはレンタカー会社の契約条件に関する話です。修理工場から無料で借りる代車すべてにNOCが発生するわけではありません。
修理が長引いたときと、代車を返すときの確認点
予定より修理が長引いた場合は、修理が終わる予定日、代車を借りられる期限、保険から代車費用が補償される期限を別々に確認してください。
「修理が終わっていないから、そのまま代車を使ってよい」とは限りません。
修理工場の貸出期限が先に来る場合もあれば、保険の補償期限を超えた分だけ自己負担になる場合もあります。
期限が近づいたら、代車を延長できるのか、追加料金が発生するのか、保険の対象期間を超えた分は誰が負担するのかを修理先や保険会社へ確認しましょう。
レンタカーでも無断延長は避ける必要があります。トヨタレンタカーでは、契約時間を延長する場合は事前に出発店舗へ連絡するよう案内しており、連絡なく超過した場合には別途定める違約料が発生するとしています。
修理そのものがなぜ長引いているのか、完成予定をどう確認すればよいのかについては、修理期間の記事で詳しく整理しています。
代車を返却するときは、燃料、傷やへこみ、追加料金の精算、車内の忘れ物を確認します。
特に燃料については貸出元ごとにルールが違うため、「借りたときと同じ程度で返せばよい」と自己判断せず、返却方法を事前に確認してください。
まとめ:代車の有無・費用・利用条件をそろえて確認する
車を修理に出す間に代車が必要なら、最初に修理先へ「代車が必要」と伝えることから始めます。
代車が用意できる場合は、無料か有料かだけでなく、借りられる期間、燃料、運転できる人、事故時の補償まで確認しておきましょう。
事故や故障で保険を利用する可能性がある場合は、自分でレンタカーを予約する前に保険会社へ連絡します。契約によっては提携修理工場のサービスや代車費用の補償を利用できる一方、事前連絡や手配方法が条件になっていることがあります。
代車が見つからなくても、レンタカーやカーシェア、公共交通機関などを、実際に車が必要な日や時間に合わせて選べます。
まずは修理先へ「代車は用意できますか。料金と借りられる期間、補償条件を教えてください」と確認してみてください。
参考公式情報
- モリタ自動車「よくあるご質問」
- 三井ダイレクト損保「修理中の代車」
- おとなの自動車保険「事故修理中の代車」
- 損保ジャパン「特約カタログ 2026年7月改定版」
- 損保ジャパン「他車運転特約」
- トヨタレンタカー「ご出発のお手続き」
- トヨタレンタカー「クルマの燃料は」
- トヨタレンタカー「万一の事故のときは」
- トヨタレンタカー「困ったときは」
※上記は2026年10月3日時点で確認した公式情報をもとにしています。保険や代車の条件は契約・貸出元によって異なるため、実際に利用するときは各社・各修理先の最新条件をご確認ください。