車の修理はディーラーと修理工場どっち?違いと選ぶときの確認点

車の修理はディーラーと修理工場どっち?違いと選ぶときの確認点

車が故障したり、事故で損傷したりすると、

「ディーラーへ持っていった方がいいのか」
「街の修理工場でも直せるのか」

と迷うことがあります。

結論からいえば、ディーラーと修理工場のどちらが常に正解というわけではありません。

まず、メーカー保証や販売店保証、リコールなどが今回の不具合に関係していないか確認します。

そのうえで、次のような条件を比べて依頼先を決めると整理しやすくなります。

  • 必要な修理内容
  • 見積もり
  • 使用する部品や修理方法
  • 修理期間
  • 代車
  • 修理後の対応

「ディーラーは高いから修理工場」「町工場は安いから得」と名前だけで決めるのではなく、今回の修理で何を確認する必要があるかから考えていきましょう。

車の修理はディーラーと修理工場のどちらに頼む?

最初に確認したいのは、費用よりも今回の修理に保証やメーカー側の対応が関係していないかです。

メーカー保証の条件は、メーカーや車種、保証内容などによって異なります。

たとえばトヨタは、保証期間や対象部品だけでなく、保証の詳しい条件について保証書やメンテナンスノートを確認し、販売店へ問い合わせるよう案内しています。

Hondaも、保証修理の対象になるかどうかは、実際に車を確認したうえで販売店が判断すると案内しています。

延長保証や中古車保証などでは、修理を依頼できる場所が契約で決められている場合もあります。たとえば日産の延長保証では、保証修理の依頼先について具体的な条件が定められています。

そのため、

「保証期間内だから、どこで直しても後から保証してもらえるだろう」

とは考えず、修理を依頼する前に保証書や契約内容を確認しておくことが大切です。

最初に保証やリコールを確認する

今回の症状が、リコールなどのメーカー対応に関係する可能性もあります。

国土交通省ではリコール情報を検索できますが、検索結果の車台番号の範囲に含まれていても、仕様などによって対象外になる場合があります。

個別の車が対象になるかどうかは、メーカーや販売会社へ確認するよう案内されています。

したがって、

  • 保証が残っている
  • リコールかもしれない
  • 購入店から不具合に関する案内を受けている

といった場合は、まず購入店やメーカー系列の販売店へ確認すると、その後の修理先を判断しやすくなります。

そのあと修理条件を比べる

保証やメーカー対応とは関係のない修理であれば、ディーラーだけでなく一般の修理工場も選択肢になります。

ここで比較したいのは店舗の名称ではなく、同じ故障・損傷に対して、どこまで直すのかです。

たとえば、一方は部品交換、もう一方は補修というように修理方法が違えば、見積額も変わります。

依頼先を決める前に、

  • 何を直すのか
  • どのように直すのか
  • どのような部品を使うのか

まで確認してから費用を見ることが大切です。

ディーラーと修理工場は何が違う?

ディーラーと一般の修理・整備工場について、修理先を選ぶときに確認したい違いを整理すると次のようになります。

確認項目 ディーラー 一般の修理・整備工場
メーカーとの関係 特定メーカーの正規販売・サービス網 独立した事業者が中心
保証 メーカー保証・販売店保証が関係する場合は確認しやすい 保証修理として扱えるかは保証条件の確認が必要
リコール 対象確認やメーカー対応の相談先になる リコールの可能性があればメーカー・販売会社にも確認する
診断・設備 メーカー固有の情報や設備が関係する修理では確認先の候補になる 対応設備や得意分野は工場によって異なる
使用部品 修理内容やメーカー基準などによって異なる 工場や修理内容によって異なる
修理方法 車両や故障内容などによって異なる 車両・故障内容・工場によって異なる
費用 修理内容・部品・工賃などによって異なる 修理内容・部品・工賃などによって異なる
修理期間 予約状況・部品手配・作業内容などによって異なる 工場の予約状況・部品手配・作業内容などによって異なる
代車 店舗ごとに条件を確認 工場ごとに条件を確認
修理後の保証 内容・期間を確認 内容・期間を確認

特に注意したいのが、費用や技術力を店舗の種類だけで決めつけないことです。

「ディーラーだから必ず高い」
「町工場だから必ず安い」
「ディーラーだから必ず技術力が高い」

とは一律にいえません。

必要な作業、交換部品、設備、車種、工場の得意分野などによって条件は変わります。

まずディーラーへ確認したいケース

一般の修理工場と比較する前に、メーカー系列の販売店へ確認した方が整理しやすいケースがあります。

メーカー保証・販売店保証が関係しそう

新車購入からあまり期間がたっていない車や、延長保証、中古車保証などに加入している車では、まず保証内容を確認します。

保証対象になる故障を先に別の工場で有償修理した場合に、その後どのように扱われるかは保証条件によって異なります。

修理する前に保証書や契約書を確認し、判断できなければ保証を提供している販売店へ相談するのが基本です。

メーカーによって保証内容や修理の受け方は異なるため、自分の車の保証条件で判断してください。

リコールやメーカー対応の可能性がある

不具合の原因がリコールに該当する場合は、通常の有償修理と同じ考え方にはなりません。

国土交通省によると、リコールは設計・製作過程に原因があり、安全・環境上の基準に適合しなくなるおそれがある場合に、メーカー等が必要な改善措置を行う制度です。

リコールの可能性があるときは、見積もり比較を始める前に対象車か確認しましょう。

メーカー・車種固有の確認が必要になりそう

最近の車では、自動ブレーキやレーンキープなどに使用するカメラやレーダーが搭載されています。

国土交通省の「特定整備制度」では、こうした装置に関係する一部の作業も「電子制御装置整備」と位置づけられ、設備や人員などの要件が設けられています。

メーカー固有の診断情報や設備が関係しそうな場合も含め、まずディーラーへ相談して、どのような作業が必要なのか確認してから他工場と比較する方法もあります。

修理工場も含めて比較したいケース

メーカー保証などとの関係を確認したうえで、一般の修理工場を含めて比較すると判断しやすいケースもあります。

保証対象外で修理方法や費用を比較したい

保証対象外の修理で、ディーラーから見積もりを受け取ったものの費用が高く感じた場合は、別の修理工場へ相談することも選択肢です。

ただし、

「ディーラーより安いところを探す」

だけを目的にすると、違う修理内容を比較してしまうことがあります。

たとえば、一方は部品一式を交換する見積もり、もう一方は一部だけを修理する見積もりであれば、金額だけでは比較できません。

別の修理方法についても相談したい

同じ症状でも、損傷状態や部品の供給状況などによって修理方法が異なることがあります。

別の工場へ相談するときは、

この部品を交換する以外に方法はありますか?

と聞いてみてもよいでしょう。

ただし、どの工場でも複数の方法を提示できるとは限りません。

車種や損傷内容、工場の設備や対応範囲によって異なります。

ディーラーの修理見積もりが高いと感じたら

ディーラーから受け取った見積もりを見て、

「思っていたより高い」

と感じることもあります。

しかし、金額が高いというだけで、不当な見積もりとは判断できません。

まず確認したいのは総額ではなく、その金額になった理由です。

総額だけでなく修理内容を確認する

少なくとも、次の点を確認してみましょう。

  • どこを修理・交換するのか
  • どの部品を使うのか
  • 工賃にはどの作業が含まれるのか
  • ほかに必要な作業はあるのか
  • なぜこの修理方法を選ぶのか

見積もりの内訳や追加費用について詳しく確認したい場合は、修理見積もりの記事で整理しています。

関連記事:車の修理見積もりが高いと感じたときの確認点

別の見積もりとは条件をそろえて比べる

別の工場でも見積もりを取る場合は、総額だけを並べるのではなく、次の条件を見比べます。

  • 修理する範囲
  • 交換する部品
  • 修理方法
  • 見積もりに含まれる作業
  • 追加費用が発生する条件
  • 修理後の保証
  • 完成予定

修理内容そのものが違えば、金額差の意味も変わります。

修理期間については、部品手配や作業待ちなどによっても変わります。

関連記事:車の修理期間はどれくらい?長引く理由と連絡がないときの確認点

修理工場を選ぶときに確認したいこと

一般の修理工場へ頼む場合も、単に口コミの点数だけを見るのではなく、今回必要な修理に対応できるかを確認することが重要です。

今回の修理に対応できるか

まず、

この車種の、この修理に対応できますか?

と確認します。

「国産車対応」などの大きなくくりだけではなく、今回必要になる具体的な作業に対応しているか確認しましょう。

特に、電子制御装置などが関係する車では、設備や対応範囲も重要になります。

必要な認証を受けているか確認する

自動車整備工場には、「認証工場」と「指定工場」があります。

国土交通省によると、エンジンやブレーキなど一定の部位を扱う分解整備や、対象となる電子制御装置整備などの「特定整備」を事業として行うには、地方運輸局長の認証が必要です。

一方、指定工場は、認証工場のうち設備・技術・管理組織や検査設備など一定の基準を満たし、車検時に自社で検査を行って保安基準適合証を交付できる工場です。

そのため、

「指定工場だから修理技術が必ず上」

と考えるものではありません。

今回の修理で重要なのは、必要になる作業を適切に行える認証・設備・技術があるかです。

とくに自動ブレーキなどのセンサーが関係する修理では、

今回の作業に必要な電子制御装置整備の認証がありますか?

と確認すると分かりやすいでしょう。

追加作業・修理後の対応も確認する

車を分解してから、最初の見積もりでは分からなかった損傷が見つかる場合もあります。

そこで依頼前に、

追加作業が必要になった場合は、作業前に連絡をもらえますか?

と確認しておきます。

あわせて、次の点も確認しておくと依頼後の行き違いを減らせます。

  • 修理後に同じ症状が出た場合の対応
  • 修理した箇所に保証があるか
  • 保証がある場合の期間・条件
  • 完成予定
  • 代車の有無
  • 代車が有料か無料か
  • いつまで利用できるか

代車を借りる予定がある場合は、無料・有料の違いと、借りる前の確認点も確認してください。

依頼する前に聞いておきたい質問

ディーラーでも一般の修理工場でも、依頼前に確認する内容は大きく変わりません。

電話や店頭では、次のように聞くと整理しやすくなります。

  • 「この修理には、どのような作業が必要ですか?」
  • 「メーカー保証や販売店保証の対象になる可能性はありますか?」
  • 「今回の作業に必要な認証や設備には対応していますか?」
  • 「修理と部品交換のどちらになりますか?」
  • 「使用する部品について教えてもらえますか?」
  • 「見積もり以外の費用が発生する可能性はありますか?」
  • 「追加作業が必要になった場合、作業を始める前に連絡をもらえますか?」
  • 「現在の予定では、いつごろ完成しますか?」
  • 「代車は利用できますか?費用や利用期間はどうなりますか?」
  • 「修理した箇所について、その後の保証や対応はありますか?」

すべての質問をする必要はありません。

今回の修理で気になる項目を選び、答えを比較できる状態にしてから依頼先を決めることがポイントです。

まとめ

車の修理先は、「ディーラーか町工場か」だけで決める必要はありません。

まず、次の順番で確認していくと整理しやすくなります。

  1. メーカー保証・販売店保証・リコールなどが関係していないか確認する
  2. 今回必要になる修理内容を確認する
  3. 見積もり、修理方法、使用部品、期間、代車、修理後の対応を確認する
  4. 必要なら同じ条件で別の修理先にも相談する

ディーラーの見積もりが高く感じても、すぐに「町工場の方がよい」と決めるのではなく、まず何に費用がかかっているのか確認します。

逆に、一般の修理工場へ頼む場合も、価格だけで決めず、今回の作業に対応できる設備や認証、修理後の対応まで確認しておきましょう。

もし見積もりを確認した結果、修理費が大きくなり、

「そもそも修理して乗り続けるか」

で迷う段階になった場合は、修理先選びとは別の判断になります。

関連記事:高額修理で直すか買い替えるかの判断ポイント

参考にした公式情報

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